まめ知識,  ナーシングホーム西野

肋骨骨折

こんにちは、西野看護師千葉です!

先日、肋骨骨折をしてしまった入居者様がいらっしゃいました。

原因は、車椅子から転倒してしまった時に、足を乗せるフットレストに脇腹をぶつけたことによるものでした。

骨折による治療は部位によって様々ですが、多いものは手術やギプス固定です。

骨折により骨がずれてしまっている場合は、手術による整復固定で治療するのが一般的です。治るまでの期間も、痛みのある期間も、保存治療よりも短く済むことが特徴です。

肋骨骨折についてお話ししようと思ったのは、
上記のような他の骨折と比べて治療方法が少し異なることが特徴だからです。

肋骨骨折の治療方法はずばり‥

自然と骨がつくまで待つ!というものです(涙)

まず肋骨骨折は、よほどのこと(心臓や肺に影響を及ぼしているなど)がないかぎり、経過観察で骨が自然とくっついてくるのを待つしかありません。

肋骨は内臓を囲うようにあり、手術するには危険が大きすぎる部分だからというのも理由の一つです。

鎮痛剤を飲んで、バストバンドと呼ばれるものを巻いて固定して、骨がついてくるのをひたすら待ちます。

そして、肋骨骨折は患部の安静が保ちにくいことも特徴です。

腕や足の骨折であれば、骨折した方を動かさない事は可能です。
動かさなければ骨のつきも早いです。

しかし肋骨は、どんな時でも動きます(T_T)

寝返りや起き上がる動作はもちろん、呼吸をするだけでも胸郭が広がる時に肋骨が動いて痛みを伴います。

肋骨骨折と聞くと大怪我のように感じるかもしれませんが、肋骨はとても骨折のしやすい部分と言われています。

転倒はもちろん、タンスの角に少しぶつけただけでも折れることがあります。
時には咳やくしゃみをしただけで骨折することもあります。

さらに折れるのは一本ではなく、一度に複数本折れる事もめずらしくはありません。

ただ、時が経てば必ず、骨はついてくるので痛みも軽減していきます。
骨折してから2週間ほどすると痛みが軽減し、3ヶ月ほどすると骨もほとんどついてきて痛みを感じなくなる方が多いです。

入居者様も、数週間経ちかなり痛みは軽減してきている様子で安心しています。
筋力や体力の低下も防ぐため、痛みのない範囲で今までと変わりなく活動的に過ごしていただいています。

今後も入居者様の転倒に十分注意しつつ、疼痛コントロール、日常生活の援助に努めていきたいと思います。

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