ナーシングホーム西野

ナースコール

しあわせ西野看護師島田です。
 
 今回は、重度の障害を持つ高齢の利用者様との出会いについて紹介させて頂きます。
 利用者様は、右半身にマヒがあるため自分で寝返りを打つことができず、うまく声を出すこともできないという構音障害もみられます。また、食べ物や飲み物を嚥下することが困難なため、胃ろうから経管栄養を行っており日常生活全般にわたって介助を必要としています。
 はじめての訪問時、経管栄養を始めようとすると胸のあたりでしきりに左手を動かしております。

 「どこか痛いところがありますか?」
 「…。」

 ふと、身体の左脇下を見てみるとナースコールがありました。いつの間にかナースコールが左手からすべり落ちてしまい、手探りで探そうにも自分で体の向きが変えられないので手にすることができず、誰かに気づいてもらえるまで我慢するしかないのかと心細く感じられていたことだったのでしょう。

 利用者様にナースコールを握ってもらうと安堵した表情を浮かべていました。
一連の出来事から、利用者様にとって命綱ともいえるナースコールは、利き手に持つてもらうか、手の届くところに必ず置く重要性を痛感しました。
利用者様にとって安心安全が確保された療養生活の大切さを改めて学び、忘れえぬ出会いとなりました。

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