老い木に花咲く
しあわせ西野看護師島田です。
先日、ある利用者様の居室に伺った時の事です。
いつもリハビリ運動をしながらお話することが多く、あっという間に訪問時間が過ぎてしまいます。
その話の内容は、若い頃の貧乏生活や、仕事上での苦労話、日々の出来事や、社会情勢まで延々と会話が続いていきます。
利用者様は、中学を出ただけで働きだし、昼夜を問わずの忙しい仕事だったけれどその生活を愛し、楽しくお金を儲け、立派な家も建て、とうとう会社の管理職にまでなられています。
定年後もまだまだ仕事を続けたいと思っているうちに時が過ぎて、老いが深まり病気や身体機能の低下が日常生活に影響を及ぼすようになってしまいました。
そんな時、偶然見ていたテレビにある老優(92歳)の晩年を娘さんの目を通して撮影した映像が映し出されていました。
演技一筋の俳優とその家族、介護する奥様との葛藤。
台詞を覚えられぬ老優の苦しみ、家族だからこそ分かり合えるもの、老いに立ち向かう姿にひとつの感動を覚えました。
利用者様とともに拝見したBS放送「老いてなお花となる」は、ごく自然に穏やかに日常を過ごす大切さをあらためて感じさせられたひと時でした。