ナーシングホーム西野

支える・支えられる関係について

西野 看護師 島田です。

難病を抱えている利用者様への訪問看護では、支えるばかりではなく支えられていることを実感する。日々の関わりの中では、大変多くのことを学ばせて頂いている。

 誰でも日常生活の中で気になることが一つや二つある。
お互いが年金を貰っている年齢だと、関心の矛先はもっぱら年金の話に向けられる。
「年金だけでは、とっても生活できないもんねえ。国民年金だとひと月6万前後だもの。どうやって暮らしたらいいのさねぇ。」
「自分の家があったらまだいいけど。仕事をやめたら家賃も払えなくなる!」
「人との付き合いもほどほどにしなければやっていけないわ!」
 ついつい本音をぶち負けてしまう。さらに次々と不満が沸き、もはや怒りの感情は抑えられない。
こうなれば田舎のおばさんのどうでもよい愚痴話となる。
そんなやり取りを利用者様は、ただ黙って笑って聞いてくれている。ご自分の意見を言うわけではない。

 大した話ではないほうが心を癒してくれることがあるようだ。
ささやかな人の営みが何ともいえない味わいがある。
そんなちょっとした思いに癒され、温かい気持ちが戻ってきた。

 私達は、支えたり支えられたりして互いに助け合って暮らしているようだ。
時には、利用者様から勇気を貰うこともある。どちらか一方的に分かれるものではない。
例え、病気や障害を負っていても一人の尊厳ある人間として関わっていくことが大事と思う。
人として互いに認め合って、なくてはならない関係性となれれば幸いである。

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