ナーシングホーム西野

万能薬 アズノール軟膏

西野看護師の安藤です。
訪問看護師をしていると、よく見かける皮膚症状があります。
皮膚が赤くなっている、プツッと湿疹ができている、オムツの蒸れや圧迫などでおしりが赤い、軽い擦り傷を作ってしまった、乾燥による痒みで掻いてしまった、などなど、
炎症所見(発赤、腫脹、浸出液)が強くなく、医師を呼ぶほどの症状ではないと判断した時、万能薬、アズノール軟膏の出番です。

アズノール軟膏は、湿疹、熱傷、そのほか皮膚疾患によるびらんや潰瘍にも使える軟膏です。
有効成分『ジメチルイソプロピルアズレン』は、西洋ハーブのカモミールを水蒸気蒸留して得られるアズレンという成分をもとに作られており、この『ジメチルイソプロピルアズレン』には、炎症による腫れ・痛みを鎮めるだけでなく、アレルギー反応を引き起こす物質ヒスタミンをおさえ、かゆみを取り除いたり、さらに傷の治りを促進する作用もあるのです。
万能ですね!
ただ、少し難点もあり、
市販されていず、医師の処方が無いと使えないです。
また、油性のため、使用感はベタベタします
だから、保湿効果も高いんですね。
唇の荒れが酷い時にも、効果ありますが、
独特のにおいもあり、少し慣れが必要かもしれません。

似たような位置付けに、ワセリン(プロペト)があります。
ワセリンは石油を精製した保湿剤。
ワセリンそのものに保湿成分が含まれているわけではなく、肌の表面に油膜を張ることで皮膚の内側からの水分蒸発を防ぎ、肌の乾燥を阻止します。
また、油膜には外部の刺激から皮膚を守る保護効果も期待できるので、オムツかぶれや靴擦れなど、摩擦によって引き起こされる肌のトラブルの予防にも重宝します。
体中どこにでも使いやすい軟膏ですが、炎症を鎮める成分は入っていないので、主に保湿、保護目的で使います。
ちなみに、アズノールにもワセリンが含まれていますよ。
軟膏を塗る前には皮膚をよく観察、必要だと判断した場合は写真に残したりします。
何より、清潔な状態にしてから、軟膏を塗ることが大切です!
細菌感染を起こすと、症状が悪化してしまうからです。
そして、日々皮膚状態を観察すること。
入浴の時はチャンスです。
介護スタッフと連携を取って、気になる皮膚症状があれば、伝えてもらいます。
寒くなり暖房を使うようになると、湿度が下がり、皮膚も乾燥してきます。
こまめな観察、ケアを意識したいですね。

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