ナーシングホーム西野

針と糸

西野看護師の島田です。

最近入居された利用者様は、針と糸を持っ手さばきがとても鮮やかでまさに洋裁の職人を感じさせてくれます。

 子供の時分から洋裁に関心を持ち、その技能を身につけたいという熱意の高まりが上達につながったようです。
ご自身で縫われたという洋服は、匠の技といっていいほど綺麗に仕上がっています。
作品群をあらためて見せていただくと生活の細部を感じさせてくれるようなしっとりとした出来ばえです。

 利用者様が中学生だった戦後の混乱期、義務教育だけで学校を終了する人が多い社会だったとしても不思議はない時代です。現在のような学習塾やお稽古事などの校外学習があるはずがなく、むしろ日が暮れるまで外遊びをすることで運動や体力が向上したことでしょう。
虫取りも子供の成長につながる遊びの一つだったと。

 高校への進学率も低い時代に洋裁学校に通える生活環境であったということ、仕事や家庭を抱え大変だったけれども継続していればこそ完成の喜びにも出会えたのではないかと想像します。

 たとえ生活が満たされようとも洋裁への情熱は、子供の頃と少しも気持ちが変わらないのでしょう。
 どうぞ、お健やかに!

円山公園
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